1. Death In Reverse
2. Stellar
3. Requiem For Hell
4. Ely's Heartbeat
5. The Last Scene
Susan Voelz - Violin 1 & Orchestrator
Inger Petersen Carle - Violin 1
Andra Kulans - Violin 2
Vannia Phillips - Violin 2
Nora Barton - Cello
Veronica Nettles - Cello
Alison Chesley - Cello (on track 2)
Nick Broste - Trombone (on track 3)
2016年発表の9thフル・アルバム。曲数はわずか5曲ですが、計46分と十分なボリューム。ライブでも定番曲の“Death In Reverse”から始まり、約18分にも及ぶタイトル曲“Requiem For Hell”、喜びや悲しみの先に含みを持たせて終わるような“The Last Scene”などを収録。
このアルバムはイタリアの詩人、Dante Alighieri / ダンテ・アリギエーリが13〜14世紀に書いた長編叙事詩「神曲」からのインスピレーションが大きく、ジャケットは神曲の挿絵がそのまま採用されています。ダンテが神曲で表現した「地獄」、「煉獄」を思わせる壮絶なノイズにまみれた音像、それを抜けた先にある「天国」を想像させる、しかしその天国は決して極楽的な世界ではないことを思わせる最終曲“The Last Scene”が残す虚無感。それらは人の日常につきまとう、現代の苦痛や悲壮とシンクロするようにも思えます。

このアルバムの制作に使用された、ギタリストGoto 'Taka' Takaakiraのエフェクト・システムはCULT 細川が製作し、同アルバムのワールドツアーにもギターテックとして帯同。世界23カ国、70都市以上を共に周りました。横幅約1mの巨大なボードに15台のペダルを直列配置という、オルタナティブ精神溢れるシステム内にあるたった2台の歪み、逆に7台という大量の空間系を使い分けて作られる、立体感のあるTakaさんの音像は一聴の価値ありです。また、ドラムのビートやシンプルなストロークで作られたギターの奏法など、MONOとしては新たなアプローチの多い作品でもあります。
個人的にお気に入りのトラックは“Requiem For Hell”、“The Last Scene”など。
CULT 細川