CULTの代表を務める細川雄一郎と、Leqtique、L'の代表を務め、同ブランドの全製品の設計を担当するShun Nokina氏。その二人の間にある長年のパートナーシップから生まれた、CULT限定のアイテムです。
2014年に発売されたCaeruleum Lightdrive High Difinition(aka CLHD)は、Leqrtiqueのラインナップ中で最もLeqrtiqueらしいエフェクターであるといえます。シリコンバレー屈指のアナログ半導体メーカー、Linerar Technology社が誇る、世界最高峰のハイファイOPアンプ“LT1028” を約31Vという高電圧で駆動させ、信号の増幅はそれのみでまかないながら信号経路上にあるコンデンサーを極力省き、徹底的に音声信号の劣化を排除したブースター/オーバードライブがCLHDでした。世界最高峰の解像度を誇るOPアンプで増幅した信号をあえてゲルマニウムダイオードでクリップさせ、超高解像度でありながらしなやかなオーバードライブサウンドを生み出すという、二律背反的なサウンドを生み出すエフェクターでもあります。
また、LT1028の動作状態にアクセスし、OPアンプの能率を増減することで音色の解像度を調整する“Difinition”と名付けられたコントローラーは、過去に類を見ない革新的なものであり、且つ効果的であったはずです。基本的なキャラクターはオーバードライ ブでありながら、ゲインを下げた際には圧倒的に鮮度の高いクリーンサウンドを作るプリアンプのような働きを見せ、それはまる で高級オーディオアンプを鳴らしているような感覚を得られたでしょう。実際、CLHDに使用されたコンポーネンツは、数百万円の価格がつけられるオーディオ機器と同等です。
そのCLHDが持つ、プリアンプ/イコライザーとしての効果をより際立たせるため、新たなトーンコントローラーとして“Presence”を装備させたのが、このCULT限定で販売される“CLHD Supreme”です。
CULT代表、細川雄一郎が提案し、Leqtiqueの全設計を担うShun Nokina氏が実現させたPresenceコントロール。ピックと弦が擦れ合うような帯域、『3.58Khz』を絶妙に強調し、プリアンプとしてもオーバードライブとしても非常に小気味好いアタック感を持つ、クリスピーな音色を再現します。それを実現する回路にもまたOPアンプが必要でしたがCLHD特有の解像度を保つため、生半可なOPアンプなどは使えるはずがありません。選ばれたのは、Linerar Technology社がラインナップするOPアンプの中でも際立った解像度の高さと安定性を両立した、マニアックなハイファイオーディオでは定番ともいえる“LT1498”でした。
回路内の隅々まで徹底して解像度にこだわりつつ、Presenceを装備した新たなCLHDが生み出す、透明度の高い宝石のように煌びやかな高域は、どんなシチュエーション、どんな音楽ジャンルにも新たな音楽性をもたらすでしょう。
〜設計者 Shun Nokina 氏より〜
極めてコンセプチュアルというべき、Maestoso, Roger, Caeruleum Lightdrive HDに一つノブを加えるという行為は、謂わば形而的なアプローチで、それぞれの持つ“音”というものをより現実的に触れることに一歩近づくことだと考えます。CULT 細川氏の秀逸なAdditional 1Knobの選択は自分のそれとは異なる故(MAT以外)、名ばかりではない最高のコラボレーションペダルが生まれたと思います。
CLHDはLTの最新テクノロジー心臓部を2つ、さらにはオブリガートコンデンサー、僕の究極とした“引き算の回路”の究極系を目指した、どうしようもなくコンセプチュアルなペダルであり、故にノブを追加するという“足し算”はご法度でしたが、至極真剣に取り組むことで1次元上のエフェクターに仕上がったと思います。蓋を開けてみてびっくりされるであろうほど、CLHD Supremeの新規設計は困難を極めましたが、細川氏のアイデアである煌びやかさを付加するミニコントロールとオリジナル機のハーモニーは、はそういった全てをPay Offするほどのヘブンライクなサウンドです。
Shun Nokina
Leqtiqueを主催するShun Nokina氏のインタビュー記事もぜひ、併せてご一読くださいませ。
※本製品の配色は全ての個体で同様ですが、表面の模様は1台ごとに異なるため、実際にお届けできる商品は掲載された写真と同一ではありません。ご注文の際に外観の指定はできかねます。また、主要な部分以外に使われるコンポーネントは、予告なしに変更される場合がございます。あらかじめ、ご了承ください。
CLHD Supreme(SP Comboも含む)を使用される際、電源の接続、切断はインプットジャックにケーブルを接続したまま行ってください。もし電源が接続されたままインプットのケーブルを抜き差ししますと、電源が瞬時に入り切りし、内部の電源昇圧回路が一時的にフリーズすることで、無音状態となります。時間を置くことで復帰しますが、同様のことを繰り返すと電源回路が故障します。予めご注意くださいませ。