1960〜1970年代の素晴らしいマテリアルを使って作られた、CULTオリジナルのスピーカーケーブルです。
メーカー、スペック、製造年の組み合わせにより、まさしく星の数ほど存在するヴィンテージ・ワイヤーですが、音色面で群を抜いて素晴らしいものは、その中のわずか数パーセントに満たない限られたものだけです。例えばBELDEN、Western Electric、LENZなどの人気メーカー品は、その知名度が先行し、どのスペックのワイヤーも素晴らしいかのように語られることがありますが、そのことに関しては一切同意できません。(BELDEN、Western Electric、LENZにも素晴らしいワイヤーはありますが)
そういった Hype と感じられる事柄に一石投じる意味で、あえて一般には無名と思われる、しかし先述の3社のワイヤーよりも圧倒的に音楽性の高いと信じるワイヤーを贅沢にも4本使用し、1本のスピーカーケーブルに仕上げました。
プラス(Hot)側には1960年代にアメリカで生産された、私(CULT 細川)が個人的に特に好んで使用するメーカー、スペックのワイヤーを使用しています。ワックスド・クロス、シルクなどの素材を被覆に使用したスペックが高価であり、人気もありますが、個人的には今回選んだメーカーが作る、中間層にゴム系の素材を使用したワイヤーには特に心地よい弾力感がその音にあると常々感じており、この素材を音色の基礎を作るプラス側に採用しました。クセが少なく、ワイドレンジでありながら、高域の痛い尖りは無く、素晴らしく万能な素材です。中でも今回使用する10本拠り、20AWGのこの素材は、ギターやペダルの内部配線に使用すると面白みが少なく感じてしまいますが、スピーカーケーブルには最適なレンジ感です。
マイナス(Cold)側には、同じく1960年代にアメリカで作られた、また別の素晴らしいワイヤーを採用しています。基本の音を作るプラス側に対して、このマイナス側はその個性を補助、整合させることを基準に選んだ素材となります。外皮はクロス、その下にはプラスチック系の素材を使用した、16本拠り、18AWGのワイヤーです。基本的な音色は丸めであり、太さと粘り強さを演出します。プラス側の素材の個性が明るくオープンな音のため、この素材を使用することで低域の密度感を加味することができています。
両端のプラグはアメリカのG&H社製のものを採用。様々な種類のプラグをラインナップするG&H社ですが、その中から採用したこのプラグは円やかな高域、中低音の膨よかさが特徴で、特に歪ませた際に心地よさを感じる太さを演出します。ハンダは音色面、耐久性の両方から検討した、近年製のものを使用しています。
バランスを重視してつまらない音にならないよう、そして逆に過度に個性的にならないよう、吟味して素材を選択しました。外見にもここまでヴィンテージな質感そのままのスピーカーケーブルは現代に見ることはほぼ無く、古き良きものを追う方には気に入っていただけると思います。もちろん、最新の素材、現行品の既製品もリファレンスにして作っておりますので、ただ古いだけでなく、現代のものにも優位に対抗できる音楽性、音色である自負があります。近代の楽器を使っている皆様にもお試しいただければ幸いです。
現在では、これらの良質で楽器に適したスペックのNOSワイヤーが大量に手に入ることはほとんどなく、楽器用のスピーカーケーブルにこういった贅沢な使い方ができることはもう無いかもしれません。今回も在庫限りで終売となります。
ヴィンテージのMarshallなどに代表される、ジャックが下部にあるキャビネットとヘッドを繋ぐにも足りる1.2m、フルスタックでも使用できる2.0m、2種類の長さを用意しています。
※出荷までに2〜4営業日いただきます。
ワイヤーの外皮に多少の傷、汚れがあることがございますが、元々の仕様となります。
あらかじめご了承くださいませ。