OD-820 Secede from T.S. mod.

CULT


レギュラー価格 ¥32,000
OD-820 Secede from T.S. mod.
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 現在でも過熱化している、伝説のオーバードライブペダル“Klon Centaur(ケンタウルス)をめぐる戦い。日本では当初、35,000円前後(アメリカでは$239)で発売されたCentaurは、高まり続ける評価に反比例するかのように生産数が少なく、50,000円、100,000円、いつしか中古でも200,000円以上の価格で取引されるようになり、近年ではCentaurのリプロダクトモデル、デッドコピーモデルすらも氾濫する”Klone戦争にまで発展しました。 

▲CULTが今回のプロダクトのリファレンスに使っていた Klon Centaur

 Centaurはいち早く電源電圧の昇圧という点に着目して作られたオーバードライブであり、また、ドライブサウンドにクリーンサウンドをミックスするという、独自の発想を具えたモデルでした。Gainコントロールを最小にすればオーバードライブ回路を通った信号は完全に分断され、電源電圧の昇圧によって広いダイナミックレンジを得た完全なクリーンサウンドを出力することが可能で、同時にGainコントロールによってそのクリーンサウンドとドライブサウンドのミックスバランスを決めることも非常に独創的な発想でした。それゆえ、その発想をフォローする製品が生まれること、つまりはKlone戦争の幕開けは必然であったとも言えるでしょう。

 

 Klone戦争の黎明期、1999年には日本の大手メーカーもその戦争に介入します。自社ブランドとしてMaxonを保有し、70年代の最初期からIbanezブランドのエフェクターを生産していたことでも知られる日伸音波製作所が、対Centaur製品としてMaxon OD-820を市場に投下したのです。当時は対Centaurを強く思わせるプロモーションをしていなかったため、リアルタイムでそのことを知るユーザーは多くなかったかもしれませんが、確かにKlone戦争は始まっていたのです。

 

 OD-820の回路はCentaurのそれと多くの相違点を含んでいるものの、OD-820が採用していた電源電圧の昇圧回路、クリーンミックス機構などは明らかにCentaurを意識したものでした。しかし、その根本には大きく異なる点がひとつ存在します。それは、オーバードライブ回路そのもの、歪みの生成方法です。CentaurはMaxon D&S 2/Ibanez OD855、MXR distortion+などに代表されるようなパッシブ型、ハードクリップとも呼ばれる方式で信号に歪みを与えています。この方式は低音域の損失が少なく、原音に近いレンジ感を得るには有効ですが、歪みの質は荒くなってしまうことが多く、使用するダイオードのキャラクターに依存した音色の加工感が強いことも特徴です。対してOD-820は、オペアンプによる増幅の負帰還部分にダイオードを配した方式、いわゆるTS系と呼ばれるオーバードライブ回路そのものを採用しています。この方式では低音域の損失が大きいものの、音の芯を残しつつも滑らかな質感の歪みを生み出せることが特徴です。

 

 以上のことより、OD-820の概要はTS系オーバードライブ回路の電源電圧を昇圧し、クリーンミックス機構を具えた、非常に素性の良いものであると言えます。そして、その素性にあるポテンシャルを100%以上に引き出し、新たな魅力を具えたOD-820がこのSecede from T.S. mod.なのです。

 

 まず、歪みを生み出すTS系回路部分には好評を博しているCULT TS808 #1 Cloning mod.と同様のモディファイを施し、和音の分離感、透明感の付与など、ドライブサウンドそのものの品質向上を図りました。電源電圧の昇圧により、通常のTS808 #1 Cloning mod.にも増して明瞭感のあるドライブサウンドを生み出します。また、オリジナルのOD-820にあったクリーンミックス機構は完全に廃し、田村進氏発案の新たな機構を採用。クリーンサウンドのレベルを調整するトリマー(半固定抵抗)、“Additional Clean Vol.”コントローラーを基板部に増設しました。

 

 ▲Additional Clean Volumeコントローラー。本体背面からマイナスドライバーで操作します。

 

 結果として、Secede from T.S. modではドライブサウンドとクリーンサウンドが分離した関係にあり、ドライブサウンドの歪み量、およびレベルの調整は本体のDriveで、クリーンサウンドのレベルは増設されたAdditional Clean Vol.で行います。この追加されたコントロールにより、気に入ったドライブサウンドにクリーンサウンドを任意のバランスでミックスすること、また、その逆であるクリーサウンドにドライブサウンドを任意のバランスでミックスし、調整することが可能になりました。ドライブサウンドに欠けた太さをクリーンサウンドをミックスすることで補う使用方法は非常に有効です。一方、Driveを下げ、クリーンブースターとして使用する際も、Additional Clean Vol.を上げることでブースト量が増え、より力強くアンプをプッシュすることが可能です。

 

OD-820 Secede from T.S. mod.のおおよその構造を表したブロック・ダイアグラム。

 

 また、バッファー部分を作る素子にかかる電圧や、アクティブ型のトーンコントローラーにも手を加え、もともとのOD-820が持っていた甘く、太いオーバードライブサウンドとは大きく異なる、クリアでアタックの速いサウンドを宿すようになりました。そして、それはオリジナルのCentaurとも大きく異なります。試作段階では実際にKlon Centaur(Gold Long Tail)とも比較を続けながら設計を行なっていましたが、試作を続ける中、CentaurのトーンはCentaurならではであり、それをわざわざフォローする必要はないという結論に達したため、別の優れた音楽性を追求し、Centaurにはない明瞭な音の速さ、歪みの滑らかさ、そして追加されたAdditional Clean Vol.によって作られる、弛みのない太さを得たのです。

 かつて、ここまで自然にクリーンサウンドをミックスできる歪みエフェクターはなかったはずです。主観ではありますが、同様の機能を持った多くのモデルは不自然に原音が混じり、使い道を考えるのが難しいことばかりでした。しかし、このOD-820 Secede from T.S. mod.は違います。クリーンなアンプで使用する際には素性の良いTS系オーバードライブサウンドにクリーンミックすることで太さを加え、速さと太さを兼ね備えた、ロックなドライブサウンドを作ることができます。クランチしたアンプでは、力強いクリーンブースト効果とアンプのクランチで基本の音を作り、そこにTS系が持つ分離感の良いオーバードライブを混ぜ、アンプの良さを生かしたまま、弾き心地の良いオーバードライブサウンドを作ることができます。結果として、~~系とは離れた、アンプを選ばない非常に優れたオーバードライブペダルとなったのです。

 

 

 

 このOD-820 Secede from T.S. mod.は、古典的なTS系のオーバードライブでもなく、宗教的なKlone系でもありません。それらから完全に分離した、新しい理想的なオーバードライブであると、CULTと田村進 氏は自負しています。

 

CULT 細川

 

※注文にあたり、以下の注意事項を必ずご了承ください。

1) 全てのモディファイ作業、本体裏面のサインは田村進 氏本人が行っており、生産のペースには限りがあるため、出荷までにお時間をいただく場合がございます。

2) 最新の注意を払ってモディファイ作業を行なっておりますが、作業の際に多少の傷がついてしまうことがございます。

3) いかなる理由でもシリアルナンバーの指定はできかねます。

 

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