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1969年にKing Crimsonが作り上げたプログレシッブ・ロックの至宝とも呼ぶべき1枚のアルバム、「In The Court Of The Crimson King(邦題:クリムゾンキングの宮殿)」。当時、その衝撃的なアルバムが制作される上で欠かせたかった、1台のファズペダルがあることをご存知でしょうか?
そのファズペダルの名前は“Buzzaround”。かつて存在したイギリスの楽器メーカー、Burns(Baldwin Burns)から販売されていた、現在では非常に希少なファズペダルです。
Buzz Aroundは1966年にイギリスのBuldwin Burrns社から発売され、その後、わずか3年前後の間に生産が中止されてしまった、非常に希少なファズペダルです。1960年代にたった3年前後しか生産されたかったファズペダルでありながら、King Crimsonのギタリスト / コンポーザーであるRobert Frippが1974年にアメリカの音楽誌のインタビューに応えた際、自身が認める最高のファズペダルは“Buzzaround”であったと語られています。
「 The best fuzz-box to use is a Burn's Buzz around which they discontinued making in England about six years ago. 」
-(単に使う上では)最高のファズボックスは、6年前くらいに生産完了になってしまった、イギリスのBurns Buzz Around だ。-
by Robert Fripp Guitar PLAYER 1974年5月号より
回路としては、同じくイギリスのSola Sound製 Tone Bender Mk.IIIに著しく近く、その亜種として見られることもありますが、Buzz Aroundに備えられたトーンコントローラーの“Timbre”、ボリュームを調整する“Balance”といった操作系統(ツマミ)は非常に独自性が高く、何より、このBuzzaroundの発売はTone Bender Mk.IIIよりも2年早く、同系の回路のオリジネイターと呼べるでしょう。
その基本的な音色は、『ディストーション寄りのファズ』とも、『ファズ寄りのディストーション』とも呼べるもので、歪みの荒さはファズらしいものでありながら、ディストーションのように分離感があり、伸びやかでもあります。その特徴からはBig Muffとも共通するものがあるように感じますが、Big Muffと比べれば、よりファズ的要素が占める比率が高く、King Crimsonの代表曲「21st Century Schizoid Man including Mirrors(邦題:21世紀のスキッツォイドマン)」で聴けるような、かなり荒々しい音色となります。
前述の通り、このカルト的なファズペダルは入手が極めて困難であり、そうであるが故に、同系のファズペダルもまた、ほとんど存在していません。その状況をヴィンテージ・ブリティッシュサウンドに精通する、Organic Soundsが打破します。
このRain Stormは、Buzzaround系と言った方が通りが良いため、そう紹介していますが、実際にはBuzzaroundの存在は気にせず、ただただ音楽的なファズのひとつと考えています。ゲート感やコントロール類にあるクセはBuzzaroundと共通しており、Buzzaround系のファズをお探しの方にも十分にオススメもできますが、何より“単純なワンコードを弾いてもサマになる、カッコいい音のするファズペダル”ということがこのRain Stormの特徴です。ザクザクと歯切れの良いバイト感、そして太く締まった低域が同時に押し寄せる、ワイドレンジなヴィンテージ系のファズです。