この“SLC”は、ヴィンテージとモダンの中間的なキャラクターを持ったコンプレッサーです。ヴィンテージの名機であるMXR dyna comp、ROSS Compressorなどと同様に、OTA ICを用いたVCA型の回路を採用し、コンプレッションのかかりが分かりやすい、ギタリスト向きなコンプレッサーと言えます。
SLCが作られるにあたり、ヴィンテージ品であるdyna compの実機が参考にされています。特に1977年以前に作られた、スクリプトロゴの個体からインスピレーションを得ており、同時期のdyna compにある、弦とフレットの質感が強調されるような凛した音色と、分かりやすさと自然なかかりを両立した、絶妙なコンプ感をこのSLCも具えています。しかし、古いdyna compと聞いてイメージするような泥臭さ、極端な加工感の強さなどは決してなく、個性はありながらもクリアな質感で、現代の音楽シーンにもフィットするようなコンプレッサーとなっています。現代のコンプレッサーのシーンでは、レコーディング機器のようなナチュラルさを求めたモデルも多いのですが、そこまでの徹底したナチュラルさを求めず、良い塩梅でエフェクターらしさもあるナチュラルなコンプ、そんなバランスがSLCの良いところです。

コントロール類は左からVolume、Tone、Sustainの3つ。dyna compやROSS Compressorには装備されていない、高域を増減するToneコントロールが特徴です。このSLCには、初期dyna compにあるような、自然でありながらも煌びやかな高域が宿っており、その高域を微調整するためのコントローラーを備えているのです。また、Sustainはコンプのかかりを決める根本的なコントロールですが、CULT入荷分のみ、浅くかかる幅を広くするカーブをオーダーして採用しています。
※筐体内部にトリマーがありますが、出荷時の調整用のため、ユーザーは触らないでください。

裏蓋を開ければ、Sara Pedalsの創設者であり、現Phantom fxでの仕事でも知られるビルダー Egawa氏の美しい配線、基板が見て取れます。ポイント・トゥ・ポイントで作られた基板が丁寧に配線されており、堅牢さを高めるのと同時に、保守性も担保されています。

基板部に使われているパーツの一部はヴィンテージ品です。そういった現在入手が難しいパーツが使われていることからも、Egawa氏の拘りの強さが感じられるはずです。

筐体はステンレスとアルミを組み合わせた、オリジナル設計のもの。サイズはW95mm D114mm H45mmという大きさで、適度な存在感があります。ノブが僅かに筐体に埋まっっており、見た目にもオリジナリティがあります。
一般的に広く知られているマスプロダクション、ファクトリーメイドのペダルはしっかりとキャリアを積んだ実力者が設計することが常です。国際的な規制の認可を取るためには高いレベルの設計が要求され、耐久テストの類も緻密に行われています。Sara PedalsはDIYながら、そういった堅実な製品を超えられるグレードを持ったハンドメイドペダルです。Egawa氏自身は“過剰品質”などと表現はしていますが、ここまでの品質で作られたハンドメイドペダルは他にないでしょう。ハンドメイドの極地であり、ハンドメイドである必然性。それがCULTが紹介するSara Pedalsの最大の魅力です。保守性も考えられており、万が一故障したとしても、修理がし易い設計が成されています。
電源はアダプター、パワーサプライなどからの外部電源9VDCのみ。電池駆動には対応していません。
化粧箱は付属せず、Sara Pedalsオリジナルポーチに入った状態でお届けとなりますので、あらかじめご了承ください。
CULT 細川