この“UMP”は、Sara Pedalsのラインナップの中でも特に攻めた一台です。Univox “SUPER-FUZZ”、Shin-ei “FY-6”などのジャパニーズ・アッパーオクターブ・ファズをベースとしながら、アッパーオクターブ成分をなくし、的確なトーンコントロールを装備したファズペダルです。悪名高いShin-ei系のファズトーンはそのままに、“ほんの少しだけ”使いやすくしたと言えば分かりやすいでしょうか。使いやすいと言っても、極悪なジャパファズトーンは健在で、一撃必殺的にファズを使いたいプレイヤーにはうってつけの一台です。

コントロール類は左からVolume、Mid Scoop、Balanceの3つ。Shin-ei系のファズはトーンコントロールが2ウェイのスイッチ方式ですが、このUMPはShin-ei系ファズが2ウェイスイッチで得られる2種類の音色間を連続的に行き来できるようなコントロール(Mid Scoop)を装備しています。このことにより、ミドルの盛り上がった乾いたサウンドから極端なドンシャリサウンド、そしてその間にあるサウンドを使用者の好みやアンサンブルの都合に合わせて調整しながら使えるようになっています。Balanceコントロールは歪み量を調整するものとなり、かなり大きな幅で効くため、最大値付近では良い意味で破綻したファズサウンドを作ることが可能です。
Shin-ei系ファズペダルのリプロダクトモデルは多くありますが、オリジナルに忠実過ぎて使いにくい、もしくは逆に整理され過ぎていて物足りないと思えるものが多いように思います。そんな中、このUMPはShin-eiのオリジナルモデルさながらの凶悪さがありつつも、絶妙に使いやすくまとめられていると思います。

裏蓋を開ければ、Sara Pedalsの創設者であり、現Phantom fxでの仕事でも知られるビルダー Egawa氏の美しい配線、基板が見て取れます。ポイント・トゥ・ポイントで作られた基板が丁寧に配線されており、堅牢さを高めるのと同時に、保守性も担保されています。

基板部に使われているパーツの一部はヴィンテージ品です。そういった現在入手が難しいパーツが使われていることからも、Egawa氏の拘りの強さが感じられるはずです。

筐体はステンレスとアルミを組み合わせた、オリジナル設計のもの。サイズはW95mm D114mm H45mmという大きさで、適度な存在感があります。ノブが僅かに筐体に埋まっっており、見た目にもオリジナリティがあります。
一般的に広く知られているマスプロダクション、ファクトリーメイドのペダルはしっかりとキャリアを積んだ実力者が設計することが常です。国際的な規制の認可を取るためには高いレベルの設計が要求され、耐久テストの類も緻密に行われています。Sara PedalsはDIYながら、そういった堅実な製品を超えられるグレードを持ったハンドメイドペダルです。Egawa氏自身は“過剰品質”などと表現はしていますが、ここまでの品質で作られたハンドメイドペダルは他にないでしょう。ハンドメイドの極地であり、ハンドメイドである必然性。それがCULTが紹介するSara Pedalsの最大の魅力です。保守性も考えられており、万が一故障したとしても、修理がし易い設計が成されています。
電源はアダプター、パワーサプライなどからの外部電源9VDCのみ。電池駆動には対応していません。
化粧箱は付属せず、Sara Pedalsオリジナルポーチに入った状態でお届けとなりますので、あらかじめご了承ください。
CULT 細川